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イタリアいなかまち暮らし

イタリアいなかまち暮らし

インドの下痢と風邪

インドの下痢と風邪

避けられないとされているインドの下痢である。

そもそも下痢というのは

1.水が変わっただけでなる。
2.発展途上国の不衛生なところで作られた不衛生な食事を食べるとなる。
3.スパイスの多い食べ物を一気に食べるとなる。
4.伝染病、インフルエンザ、食中毒などはっきりした原因があってなる。

2のスパイスというのは薬と一緒だから、食べなれないとおなかがびっくりしてしまうのだ。学生のころ、日本で始めてインド料理に行って、おいしいので満腹で苦しいほど食べたときは翌日には当たり前のように下痢になった。

また、3は、日本から休暇でラオスに行ったとき、着いていきなり青空市場で売られていた惣菜を買って、あまりにおいしくて感激しながら満腹になるほど食べたところ翌日激しい下痢の次に微熱が出て泣いて後悔したこともある。辛くないから大丈夫と思ったのだが、不衛生だったらしい。

まあそれから私もいろんなものを食べててそんなショックはないと思うが、インドは上記の下痢要素が1から4まですべて重なりうる国なので、最大の注意をしようと、慎重になることを二人で誓った。

まず慣れるまでは少しづつ食べること。生ジュースやカット果物に手を出さない。揚げ物も屋台や安食堂では手を出さない。水もインドにいる限りは最大に気をつける。

当然なことのようだがはっきり意識していなかったことがある。水の安全性は、水が豊富な土地なほど高まるということだ。

何せこの目で見たがインドは川が少なく、水を見る機会が非常に少ない。ネパールの平野部も同じで、山岳地帯に入るまでからからに渇いた大地の景色は続いた。そしてあちこちで目にしたのが井戸ポンプ。井戸水というものは汚水がしみこんでいて結構不衛生らしい。
その水が水道をひねると出てくる可能性があるのだ。なのでそのまま飲むのは非常に危険だ。

インドでネパールに向かうということを人に話していて、誰かに「ネパールにいくと水は安全だよ」と言われたとき、そりゃあヒマラヤ山脈があるから、水が豊富できれいなんだろうと思ったのだ。

そのとき、当然のことだけど、いままで考えたことがなかったなあと思った。日本もイタリアも、川やダムのきれいな水を、さらにきれいになるように管理して消毒して水道の水になっている。つまり水は安全で当然だからそんなこと考えたことないのだ。

このように水のない土地から水のある土地に陸路で旅していなければ、さらに地元の人のこの助言がなければ、これからも考えなかったことだったと思う。
(ちなみに、だからといってネパールの水が水道からそのまま飲めるということでは絶対ないので。)

私は東南アジアを旅行したときは水道水こそ飲まないものの、食堂で出される水差しの飲み水は飲んでいたし、歯磨きに水道水で口をゆすいでいたりした。しかし情報収集をするとインドの衛生状態は東南アジアとは比較にならないひどいものらしい。なので常にボトル入りの水を利用することを心がけた。

しかし避けようのないのが添え野菜の生のたまねぎやトマト、大根だ。また、食器も不潔な水で洗われてるかもしれない。また食べ物自体もスパイスが効いているために、ちょっと悪くなっていてもわからない。
夫はプロの鼻を駆使してたいがいのごまかしは見破るのだが、スパイスがないとかろうじてわかるような微妙な食べ物の傷みがわからなくなる恐れがある。
まあそんなことを言っていると何も食べられないのでそれはリスクにかける事にした。

というわけで一日目、二日目と慎重に、量も腹八分目ほどに食べていたせいか、二人ともおなかを壊す兆しはなかった。余裕だなと思っていると私は5日目になるころにちょっとゆるくなる様になってきて、結局ひどい腹痛や水下痢はなかったのだが、ちょっと下痢気味状態が帰るまでずっと続いたのだ。

気をつけるべきことは守ってきただけにこれはかなりへこむ。夫のほうは15日目くらいまで毎日絶好調だったのが、風邪を引いて水下痢に苦しんだ後、やはり下痢を引きずるようになった。現地でイモディウムという下痢止めを買って飲むとちょっとよくなるようだが。
下痢というのは体に入ってきた毒や菌を早く体の外に出そうとしているわけだから、下痢止めはあまり使わないほうがいいけど。

そう、風邪を引いたのだ。二人とも。実は旅行するたびに風邪を引いている。毎度毎度夫が最初に引いて、私に移すというパターンだ。今回はただの風邪ですぐ回復したのでよかったが、インフルエンザだと旅行の予定がめちゃくちゃになってしまう恐れがあるので怖い。

ちなみにインフルエンザもこの2年連続で感染していて、1週間づつ店を閉めている。これも夫が感染して私にうつす。夫のあまりの弱さに腹が立って病人にも当たりたくなるものだ(当たってるけど)。今年の秋にはぜひワクチン接種をしてもらいたい。(書いてたときは2008年の話。秋にはホントにやりました。

とにかく今回は多分、暖房が効いてぽかぽかの夜行列車で寝た後いきなり早朝の寒い駅に出てさまようということを2度も繰り返したのが悪かったように思う。乾季の北インドは予想したよりとても寒くて、しかも砂漠のように昼と夜の気温が激しく変化する。ヨーロッパも乾いていて気温の変化は激しいけど、インドのそれはもっと厳しい。早朝の駅では口から白い息が出た。

夜行で移動した後そのまま休みなしに国境を目指して移動を続けたのがたたったのか。結局移動は一日中続いて、国境を越えて宿を見つけたときには暗くなり始めた。それから熱がでたのだ。38度ほどだった。

熱は一晩中続いて、嘔吐と下痢もあった。食中毒の可能性もありそうだが、咳をしてて痰も出るのでやはり風邪だろう。しかし翌朝には37度ほどに退いて、移動できるということになった。
ちなみに欧米人は日本人より体温が高いというが、夫の場合はそんなことはなくて35.5度くらいが平熱である。中年だから歳も関係するのか?私は子供のときから変わらず36.5度である。

夜は何も食べなかったので朝バナナとチャパティとチャイを買ってきて食べさせた。薬屋は聞いたらちょっと遠いらしいし、本人が熱も引いたので大丈夫だというので薬を買わなかった。

次の目的地タンセンまで移動は最初バスを予定していたが、下手に動いて悪化させたくないので急遽タクシーに乗ることにした。バスだと5時間の道のりがタクシーだと2時間半だ。町の中心に出てタクシーを捜すが見つからないので仕方なく旅行会社に頼んだ。

ところがその後1時間ほどたつとその旅行会社のすぐそばに沢山タクシーが並ぶようになってきて、非常に悔しかった。とうぜん直接交渉したほうが安かっただろうから。値段は確か3000円くらいだった。

タンセンにつくと夫はかなりよくなっていて、友人もできたりして楽しそうだった。一方私は夕方急にだるくなって、熱が出てきてしまった。
夕食にトゥクパを食べてすぐに寝たが、熱と咳のせいで何度も目が覚めた。夫よりもひどくなったのか翌日は一日部屋から出られなかった。

朝一番にフロントに言って風邪薬を買って来させられないかと頼んだのに、奴は俺も風邪だとか言ってぐずぐずしてて、それからちょっとして出かけたのだが、昨日できた友達と遊んでて、結局3時ごろになってやっと薬を買って来てくれた。

やつはバナナ嫌いな私に気を効かしたつもりかオレンジを買ってきてくれたが、体が弱ってて空腹にオレンジを薄皮ごと食べたのが悪くでて、消化不良の胃痛になって後で戻した。
奴はちょっとうれしげに、ほら俺の風邪と同じだと言ってたが、もしオレンジだけ置いてそのまま遊びに行かずに薄皮をむいてくれたら、あるいはオレンジじゃなく別のものを買っていてくれたら絶対戻さなかった!(愚痴) いつも風邪を引いて戻すのは夫だけだから。

まあ病人が食べるようなものはバナナとオレンジしか見当たらなかったのだろうが。
インドの風邪薬はよく効いてその後ぐっすり寝むれて、翌朝にはすっかりよくなった。タンセンという町を私は半日しか見てなくて残念だったが、ポカラに向けて発つことにした。奴は私が寝ている間一日中友人と町中を歩き回って、いろんな人と話をして充分楽しんだようだったし。

またしてもタクシーを捕まえようと夫はタンセンを探し回ったが、ポカラまでいけるというタクシーが見つからなくて結局バスに乗った。それもタンセンに止まるのはローカルバスばかりで、エクスプレスのトゥーリストバスは見つからない。ポカラまでは6時間くらいかかった。もう昼ごろには私はぴんぴんしていたので平気だったが、退屈した。

その後二人ともすっかり体はよくなるものの、後遺症に咳と、夫は下痢をずっと引きずっていたというわけだ。

それまでバラナシで目の前で絞りたてのざくろジュースを飲んだ以外は生ジュース厳禁をずっと守ってきたが、どっちみち下痢は続くんだと思うとそろそろ守るのもばかばかしくなったのと、ネパールの水はよいと聞いていたことで、フルーツシェークも飲むようになった。またポカラはシェーク屋があちこちにあって果物を店先に掲げて誘惑する。飲んだことで特に変化はなかった。



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